ピカチュウとバタフリー、最初の試練。

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兄も弟も、周りにいた男の子はみんなゲームが大好きでした。
「あなたは女の子なんだから」
母はいつもそう言って、私にゲームをやらせてはくれず、兄弟がやっている姿を後ろからただ眺めていました。
そんな小学1年生の時、「ピカチュウバージョン」が登場したのです。

「どうしても、これだけはやりたい!」
当時、ポケモンの世界に惹かれていた私は、お年玉などをコツコツ貯めて、ついにピカチュウバージョンを手に入れました。

男の子としても通用する名前を付けてくれた両親に、心から感謝しました。

ピカチュウは私の後ろをついて歩き、振り向けば様々な表情を見せてくれました。
「きっとピカチュウと仲良くなれる。」
私の心は、ゴム手袋を装着してピカチュウを抱き上げようとしたサトシ君と一緒でした。

「私のピカチュウは強い!ジムトレーナーなんてすぐに倒せる!」
ニビシティにたどり着いて浮かれていた私の気持ちは、一気に叩き砕かれました。
そう、最初に戦うジムトレーナーはタケシです。

アニメでは頼れる仲間ですが、ジムトレーナーであるタケシは私の前に大きく立ち塞がりました。
タケシの使うポケモンは「いわタイプ」です。ピカチュウのでんき攻撃は一切通用しません。

しかし、挫折したら先には進めません。
苦手なタイプを、他のポケモンで補うことはポケモントレーナーの基本です。
私はさっそく、初めてのポケモンゲットに乗り出します。

最初にゲットするポケモンはもう決めていました。
サトシ君も最初にゲットしていた「キャタピー」です。

バイバイバタフリーの回で、サトシ君とバタフリーの別れに涙を流した人は、きっと私だけではないはずです。
バタフリーになれば、エスパータイプの「ねんりき」攻撃が使えるようになります。
また、「ねむりごな」などの状態異常を与える攻撃は、野生のポケモンをゲットする時にも重宝します。

というわけで、私はキャタピーゲットのため、トキワの森へと向かいました。
キャタピーを進化させるため、ピカチュウと交代させながら、バトルする毎日。

そして、いよいよトランセルからバタフリーに進化する時がやってきました。
間違ってBボタンを押さないよう、手を膝に置いて見守る私の目の前で、バタフリーは美しく姿を現します。
ピカチュウは「でんこうせっか」や「かげぶんしん」を覚えるまで成長していました。

ついに私はもう一度、ニビジムの扉を叩いたのです。



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